亭午過ぎ、幻想とワルツを おまけ

 

 

(随分と、懐かしい夢を見たな)

数分後に泣き喚く予定があった目覚まし時計のアラームを止めると、設楽聖司は自室のベッドでひとつ欠伸をした。

「……フン」

目覚ましを手にとって文字盤を確認すると、まだ普段の起床時刻には早い。が、二度寝するにも微妙だったので上体を起こしベッドサイドで充電していたケータイを手に取った。

電話は2コールもしないで繋がった。

「――俺だ。……はぁ? なんだよたまたま早起きして、たまたま挨拶がてら連絡してやっただけだろ、朝に挨拶もしちゃいけないって言うのかお前は? ……あーはいはいそうだなお前はそういうやつだったな」

……おはよう。

聖司くん、おはよう。
今日も耳元で、天使が囁いた。

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